ゆうかCoffeeBlog

今月のコーヒー 2020年4月

お客様との会話の中でコーヒーの心配をよく聞かれますが、今のところ問題ありません。
2月に南半球のコーヒーが入ってきていて、すでに倉庫に保管されています。
北半球のコーヒーは例年ですと夏~秋に入ってきますが、こちらも収穫は終わっています。
今後の状況により、遅れることはあるかと思いますが、今のところ大丈夫です。

これからもおうちでリラックスしていただけるようになるべくご不便かけず、普段通りを心がけていきます。


エチオピア・ゲシャビレッジ ゴリゲイシャ
ゲイシャという品種のコーヒーは当店でも毎年ご紹介しているパナマ・エスメラルダ農園がベストオブパナマという品評会に出品して広まりましたが、ゲイシャの起源はエチオピアのゲシャ村(ゲイシャ村)といわれていました。
エチオピア南西部にあるこの地を特定し開拓した農園がゲシャビレッジです。
アメリカ人のアダムレイチェル夫妻が道路などのインフラ整備など様々な困難を乗り越え、現在に至ります。
農園近くのゴリゲイシャの森(猛獣も出るジャングルだそうです)に自生していた様々なコーヒーを持ち帰り、風味の優れたものを特定し、パナマゲイシャとともに遺伝子解析をおこない、パナマゲイシャに近い3種のコーヒーの栽培を進めました。
そのうちの一つが今回ご紹介するゴリゲイシャです。森の名前をそのまま付けたこのコーヒーは長い年月で自然交配された、この森の風味を代表するコーヒーです。
印象としてはパナマゲイシャほどの派手さはないものの、香りから味わいまでものすごく上品でエレガントです。
香りをかいだ時に白い花を連想しました。ジャスミンのような…。
当店にあるコーヒーの木も白い花が咲きましたがその香りにも似ていました。
味わいもまろやかな口あたりから白桃のような風味、アカシアのはちみつのようなフローラル感に包まれた上品な甘さ、冷めてくるとアプリコット、ジンジャーのアクセントも顔を出し、余韻を長く楽しめます。
パナマゲイシャとはまた違った魅力をゆっくりとお楽しみください。


プレミアムブレンド・花の香(かのか)
年末に出したパナマゲイシャを使ったブレンドがとても好評だったので、今回はゲシャビレッジを使ったブレンドです。
今回もゲイシャ種のフローラル感を活かすようにブレンドしました。
使った豆はパナマ・レリダ、グァテマラ・リベルタッドレゼルバ、ゲシャビレッジ、エチオピア・イルガチェフです。
春らしいフローラルで華やかな感じときれいでこの上なくまろやかな質感、飲んだ瞬間からやわらかで上品な甘みがふんだんに感じられて至福のひと時です。
冷めてくるとブレンド特有の複雑さが増し、白ワインの感じから柑橘系のアクセントも感じ、長い時間楽しめます。
花の香と書いて「かのか」と読みます。
ブレンドの名前に悩み、久しぶりに妻に相談したらすぐに名付けてくれました。
素直にいい名前だと思いましたし、男には考えもつかない名前だなと思いました(笑)
8年目になった今だからできる、ゆうかcoffee進化系ブレンドをどうぞよろしくお願いいたします。

 
ブラジル・ヴェルデ
ブラジルコーヒーは酸味が少なく、香ばしい風味でどなたにでも親しまれる味わいです。
当店定番のトラディソンはコクと甘さのバランスがよく、ブラジルらしい味わいで人気ですが、それに比べてこのヴェルデは穏やかでやさしく、すっきりとした飲み心地です。
ヴェルデはポルトガル語で緑を意味しますが、まさにグリーンアップルやグリーンティなど爽やかな印象も感じます。
もちろんブラジルらしい香ばしい甘さや酸味の少なさもありますので、どなたにでも安心にておすすめできる味わいです。


深煎りコロンビア
深煎りコロンビアの豆が新豆(ニュークロップ)に変わりました。
今回はより標高の高いナリーニョ地区の豆を使っています。
今までのウィラ地区と比べて少しキリリとした後口になりました。
当店で一番深く焙煎していますが、その深さにも耐えられるがっちりとしたハードな豆です。
深煎りでもクリーンさが際立ち、よくあるような重い味わいは感じず、程よい苦みと深いコク、キリリとした後口が相まって満足感のある飲みごたえです。

今月のコーヒー 2020年3月

せっかく春らしくなってきたのに今年はコロナウイルスで大変なことになっていますね。
私もいつも以上にうがい、手洗い、アルコール消毒をするように気をつけていますが、不安を抱えながら生活するのは本当に疲れます。
せめて家ではコーヒーでリラックスしていただけたらと思い、春らしい気分が華やぐコーヒーを集めました。


パナマ・レリダ
毎年、春にご紹介しているパナマのコーヒー。今年もレリダ農園が入荷しました。
お店をオープンさせる時に、コーヒーもフルーツのように季節を感じてもらえたらと思っていました。
その中でパナマは真っ先に春を連想していました。
パナマのコーヒーは年末にご紹介したエスメラルダ・ゲイシャを頂点にきれいさが際立ったコーヒーが多いです。
優しさ溢れる質感とジャスミンのようなフローラルな香り、口にするとパッと明るく輝くような甘さが口いっぱいに広がって自然と笑顔になってしまいます。
その明るい味わいは決して派手ではなく爽やかで華やか、品があってとても心地いいです。
冷めてくるとオレンジやフランボワーズのような風味も感じられて気分も和らぎます。
当店の春を彩る代表格のパナマ・レリダをどうぞお楽しみください。

 

グァテマラ・リベルタッド レゼルバ
8つあるグァテマラの産地のうち、メキシコ国境沿いにあるウエウエテナンゴはアンティグアと並びグァテマラを代表する一大産地です。
そのなかでもリベルタッド地区には当店でもおなじみのエルインヘルト農園を筆頭に素晴らしい農園がひしめき合っています。
その一つのラボルサ農園で最高の風味を持つものを集めたものがリベルタッドレゼルバになります。
粉に挽いた瞬間から華やかでフローラルな香りが素晴らしいです。
口にするとシルキーマウスフィールといわれる繊細でなめらかな口あたり、グァテマラのコーヒーに多いハニーライクと呼ばれるフローラル感とコクと甘さが一体となったはちみつのような風味、冷めてくるとピーチやチェリーの風味がアクセントを加えて、繊細な白ワインのような魅力的な余韻で、まさにエレガントといった感じです。
グァテマラのコーヒーはいろいろとご紹介していますが、私自身はこのコーヒーが一番好みです。
エレガントさに磨きがかかった今年のリベルタッドレゼルバをお楽しみください。

 

春のブレンド・ひらり
ゆうかcoffeeの春を告げるブレンドです。
季節のブレンドの中でも1番人気のあるブレンドで皆さんが春になるのを待ち焦がれているんだなぁと毎年思わされます。
春のブレンドは軽やかさとふんわりとしたやさしさを意識してブレンドしています。
フローラルな香り、軽やかで丸くやさしい質感、ふんわりと漂う甘さがとっても心地よく感じる優しさあふれるコーヒーに仕上がりました。
春のうららかな日々を「ひらり」とともにお過ごしいただけたら幸いです。

 

春の濃いめブレンド・森の時間 いぶき
おなじみ深煎り系のブレンド「森の時間」は1年を通して季節ごとに少しずつ味わいを変化させています。
基本的にはチョコやケーキに合うようにやさしさある程よい濃さとキレのいい後口を意識しています。
春の「いぶき」は、よりやさしく仕上げました。
やさしいほろ苦さ、程よいコク、濃いめの味わいながらきれいでキレのいい後口がチョコレートやクリーム系のケーキとよく合います。
カフェオレやエスプレッソなどでも楽しめる懐の深いコーヒーです。

 

今月のコーヒー 2020年2月

 

コロンビア・ファティマ ティピカ

当店初登場のコーヒーです。ティピカとはアラビカコーヒーの原種といわれている品種です。
現在の様々な品種は、ほぼこのティピカとブルボンの2種のどちらかを起源としているようです。
ティピカ種は病気に弱く歩留まりも悪いので最近ではとても少なくなっています。
コロンビアのコーヒーは、以前はほとんどティピカ種でしたが、病気が蔓延するたびに他の品種に植え替えられていきました。
昔からコロンビアマイルドといわれる独特のまろやかさは土壌や気候によるものが大きいと思いますが、少なからず品種も関係していたと思います。
今回ご紹介するこのコーヒーはコロンビアコーヒーの代表産地ウィラにあるファティマ農協でティピカ種のみを厳選したロットになります。
カッピング会でファティマのティピカとブルボンの2つのロットがあったのですが、同じ農協でも明確に違う質感でどちらも素晴らしかったですがティピカのほうがより甘みが伝わりやすいと思い買い付けました。
芳醇な香りからこれぞコロンビアマイルドと思わせる至福のまろやかさが口の中を包みこみ、フローラル、ピーチ、トロピカルフルーツ、オレンジ、チェリーなどの風味を伴った甘さが心地いいです。
冷めてくると少しスパイスのようなアクセントが出てきて余韻もゆっくりと楽しめます。
今では希少になったコロンビアコーヒーの原点を感じてみてください。

 

7周年記念ブレンド・アニバーサリー2020 

当店もおかげさまで7周年になりました。本当にありがとうございます。
今年から周年記念ブレンドはシンプルにアニバーサリーにしてトップコーヒーを使ったプレミアムブレンドシリーズにいたしました。
今回はグァテマラ・イエローナンス、コロンビア・ファティマティピカ、エチオピア・イルガチェフとモカナチュラルのブレンドです。
エチオピアを2種使い、イルガチェフの華やかさとモカナチュラルの艶やかさをミックスしました。
実はほぼ頭に描いていた組み合わせなんですが、バランスを取るのに苦労し結構悩みました。
すべて個性のあるコーヒーですので簡単にはまとまらないんですね・・・。
また一つ学んだ気がします。
やさしいフローラルな香り、上質ななめらかさ、すっきりとした甘さと程よいコク、華やかな余韻が心地よく続きます。
冷めてくるとモカナチュラルの艶やかさが顔をのぞかせより複雑な印象になっていきます。
それぞれのコーヒーの個性がきれいにまとまって、8年目の新たなスタートにふさわしいブレンドに仕上がったと思います。

 

ケニア・ジャングル

ケニアのコーヒーは家族で栽培したコーヒーをファクトリーと呼ばれる水洗施設に持ち寄るスタイルが一般的です。
今回のジャングルはケニアでは珍しい単一農園で、いわゆるシングルオリジンとかシングルエステートと呼ばれるコーヒーです。
単一農園のメリットは品質のバラツキが少なくなることと個性を表現しやすくなることですね。
ジャングル農園はケニア独特の深みのある香り、ジューシーで豊かな風味が存分に楽しめる素晴らしい味わいです。フルーティな風味があるのですが、赤から黒を連想するフルーツで巨峰などの黒ブドウやアメリカンチェリー、ブルーベリー、ブラッドオレンジなど濃厚で力強い味わいです。
コクも豊かでキレもシャープ、余韻も長く複雑、若干赤ワインのタンニンのような渋みも感じます。
赤ワインがお好きな方におすすめです。
味わいが濃厚でキレがいいのでミルクとの相性も良く、カフェオレでもリッチでおいしいです。
このコーヒーは試飲で飲んでいただくと人それぞれで受け取り方が違うことに気づかされます。
苦みがあると感じる方がいたり、逆にすっきりしていると感じたり…。様々な味わいが重なって深みのある味わいになっているのでどの部分を感じるかで分かれてくるんだなぁと思いました。
リッチで豊かな気分にさせてくれることは間違いないですのでどうぞ優雅にお楽しみください。

 

深煎りモカブレンド・つむぎ 

つむぎは去年までアニバーサリーブレンドとして出していたブレンドです。
このブレンドのきっかけは私が好きなウィスキーからヒントを得ました。
ウィスキーは熟成する樽によって風味が変わりますが、シェリー酒の樽を使って熟成させたウィスキーには華やかな甘さがあります。
シェリーカスクを使ったブレンドウィスキーを飲んだ時に深煎りコーヒーにモカナチュラルをブレンドすれば似たような甘い余韻のコーヒーになるなぁと思い、ブレンドしてみたらドンピシャでした。
ビターチョコのようなほろ苦さと深いコクにベリー系の甘い風味が重なりリッチで艶やかな味わいです。
チョコレートやケーキと一緒に飲んでもワンランクあげてくれるようなブレンドだと思います。